廃用症候群-寝たきり予防のためにできること

吹田千里山・ふじた整形外科 廃用症候群-寝たきり防止のためにできることをご紹介しております。

「廃用症候群」ってご存じですか?

 廃用症候群とは、病気や怪我などの治療のために長期間にわたって安静状態を続けると、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響を及ぼす症状のことをいいます。「生活不活発病」ともいわれます。

 廃用症候群の進行は速く、とくに高齢者はその現象が顕著に現れます。一週間寝たままの状態を続けると、約10~15%程度の筋力低下がみられるともいわれています。
 例えば、骨折した脚をギブスで固定しておくと、ギブスを外したときに思い通りに動かせなくて驚いたという経験のある方もいらっしゃるでしょう。それが 「廃用症候群」です。
 高齢者の場合、病気や怪我で入院するなどして長期間寝たきり状態になると、廃用症候 群を発症しやすくなります。

 本稿では、廃用症候群の原因やリハビリのポイントについてご紹介します。

筋肉量の減少が老化を引き起こす

 私たちの身体の筋肉量は20歳代をピークに年々減っていきます。一年に約1%程度減少し、70歳代になると約半分くらいにまでなってしまいます。
 筋肉はエネルギーを生み出す働きも担っているため、筋肉が減れば、身体の動きが鈍くなるだけでなく、疲れがとれなかったり、太りやすくもなります。
 加齢とともに感じる身体の衰えや老化は、実は筋肉量の減少が原因だったのです。
 筋肉の量が減ると、身体を動かすこと自体が億劫になるため、さらに活動量が減り、筋肉の減少も加速します。そうなれば将来、“寝た切り”になる可能性が高くなります。
 少し動いただけで息切れする “ちょっとした段差でも転びそうになる ” という経験があれば、すでに筋肉の量が減ってきているという危険信号です。
 いつまでも自分の足で元気に動き回れる若々しい身体を維持するためには、筋肉量をアップさせることが必要になります。

廃用症候群の症状と原因

 廃用症候群を発症すると、「運動器障害」「循環・呼吸器障害」「自律神経・精神障害」を引き起こします。
「運動器障害」とは主に「筋萎縮」「関節拘縮」「骨萎縮」など。「循環・呼吸器障害」では主に「誤嚥(ごえん)性肺炎」「心機能低下」「血栓塞栓症」などを引き起こします。「自律神経・精神障害」では「うつ状態」「せん妄」や「見当識障害」などの症状を発症することがあります。

廃用症候群を発症する原因には…

1)過度の安静状態

 病気や怪我で長期入院して安静にすることによって、全身の筋肉を動かさない状態が長く続くと、筋肉や関節、臓器の運動能力が低下します。
 また、自力で動いたり歩いたりできるうちから車椅子やおむつを使用すると、さらに身体を動かす機会が減ってしまいます。このような状態が長く続くと身体機能は低下する一方にな、廃用症候群を進行させてしまいます。

2)関節の痛みや動きの鈍り

 高齢者になると、関節などに痛みが生じることが増えます。そうなると動くことが億劫になり、買い物や散歩などに出かける機会が減ってしまいます。
 また、安静状態が続くと関節の動きが鈍くなり、 思ったように動けないことから外出するのが嫌になります。
 そうすると、さらに身体能力に衰えが生じ、廃用症候群が進行してしまいます。

廃用症候群のリハビリのポイント

本人を前向きな気持ちにする

 患者本人に、前向きな気持ちでリハビリに取り組んでもらうことが大切です。「何のためにリハビリ をするのか?」「リハビリをすることで、どんな変化が期待できるのか?」といったリハビリの目的や目標をしっかりと伝え、医師や看護士、理学療法土などと協力して、本人のやる気を引き出すことがポイントです。

リハビリしやすい環境を整える

 体調がすぐれない状態でリハビリをするのは、高齢者にとってかなりの苦痛を伴います。「睡眠や食事はきちんと摂れているか?」など、リハビリするのに適した体調かどうかを、事前に医師に確認しましょう。

 場合によっては薬物治療を行う場合もあるので、早めに医師の診察を受けられるのが望ましいと言えるでしょう。