中高年を悩ませる「痛み」…筋肉痛と関節痛

吹田・千里山の『ふじた整形外科』による、中高年を悩ませる「痛み」についての解説です。

 整形外科は、骨・関節・筋肉などの運動器の疾患を扱う外科で、脊椎や脊髄神経、末梢神経もその対象になっています。先天性疾患や交通外傷、スポーツ障害を除き、対象患者は高齢者が多く、加齢と身体運動機能障害には密接な関係があります。
 高齢者の整形外科領域患者数は全国で1,500万人とも2,000万人ともいわれ、ほとんどの方が何らかの整形外科的疾患(膝痛、肘痛、股関節疾患、肩関節痛など)を抱えています。直接生命に関わる疾患は少ないですが、外傷以外の受診理由はほとんどが 痛みで、痛み以外では麻痺やしびれなどで歩けない、動かないなどの機能障害で悩んでおられる方が多いのが現状です。

痛みを引き起こす原因は?

 肩こりや五十肩は、筋肉に起こる異常が原因です。運動不足や長い時間同じ姿勢でいることなどによって肩周辺の筋肉の血行が悪くなり、こりや痛みとなって現れます。
 五十肩は肩関節周囲炎と呼ばれ、筋肉や腱に炎症 が起こる場合、肩関節の関節液の量が減り、関節包(かんせつほう)が縮こまって起こることも少なくありません。
 また、中高年の膝痛といえば変形性膝関節症が一般的です。これは軟骨が老化によってすり減り、軟骨というクッションなしに骨が直接当たるようになって痛みを発します。
 その他、骨や関節の痛みを主な症状とする病気として、中高年は骨粗しょう症にも注意しなければなりません。
 このように痛みを引き起こす原因は様々ですが、今回の健康ニュースでは、部位別痛みについて簡単に説明していきたいと思います。

肩こり

「肩こり」という症状は、一般的にはパソコン作業など肩の筋肉に負担がかかる作業に従事する方に多くみられますが、必ずしも更年期に入ってから出現したのではなく、若い頃から引きずっていらっしゃる方も少なくありません。
いわゆる「肩こり」という状態では、肩関節の運動には支障はありません。
もし「肩が(上に)上がらない」「洋服を着替える動作ができない」ような場合は、単なる「肩こり」ではなく「五十肩」という病気の可能性があります。
 ひどい肩こりがある方は、まずは整形外科を受診されて、肩関節に関する病気の可能性を確かめることをおすすめします。

腰痛・背部痛

「腰痛・背部痛」も肩こりと同様に、老若男女を問わず認められますが、更年期の女性においても腰痛を訴える方は多数おられます。
 ただし、日常生活に多大な支障を来たすような重い腰痛がある方や足のしびれや歩行障害を認めるような腰痛でお悩みの方は「椎間板ヘルニア」や「腰椎すべり症」などの他の整形外科の病気の可能性がないかどうかを確かめる必要があります。

膝の痛み(関節痛)

 中高年になると、膝の痛みを訴える人が増えてきます。その原因として多いのが「変形性膝関節症」です。放置しておくと、痛みが徐々に増して日常生活にも不便を来たし、やがて自力歩行が困難になって要介護の状態になることもあります。
 しかし、適切に治療すれば、症状を改善させたり、進行を遅らせるととが可能です。年のせいだかうとあきらめす、早めに整形外科を受診して、きちんと診察してもらうことが大切です。
特に①立ち上がったり、歩き始めに膝がこわばったり、痛みを感じる、②階段を昇り降りする時に強く痛む、③膝の曲げ伸ばしがつらい、といった症状がある場合は、できるだけ早く受診してください。

肘の痛み(関節リウマチ)

 若い人の場合、野球肘やテニス肘などのスポーツ障害が多いのですが、30代以降の女性に多く見られるのは「関節リウマチ」です。
 関節リウマチは、手の指や肘から発症することが多く、最初は「朝起きた時に手や指がこわばって握りにくい」「肘の曲げ伸ばしがスムーズにできない」という症状がみられます。
 国の指導でも治療には「薬物療法」「リハビリテーション」「手術療法」「日常生活」の4本の柱があります。薬だけでなく整形外科でのリハビリも並行して行うことが運動機能回復にはとても重要です。